amiteeのほげほげ日記

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毛先が球→モンチッチ

毛先が球といっても、これはべつに歯ブラシの話ではなくて、一ヶ月ほど前に、顔の上半分と髪の毛を火で炙ってしまったときの話。誰がかというと、わたしが。
お彼岸の前の日、リョウにいとヤヨイさんと一緒に、鉄板焼きの某店へ飲みに行っていた。リョウにいとヤヨイさんは初対面だったけれどすぐに打ち解けて、三人で楽しく過ごしていた、はずだった。何がいけなかったかと言うと、店員さんを呼ばずに、勝手に鉄板に点火したこと。いちど消火したものがまた必要になったので、勝手に操作したところ、どうやらガス漏れしたらしかった。それで操作盤に近かったわたしが、いったん消した後、もう一度着火の方向へつまみを捻った。家庭用ガスコンロのような感覚で、深く考えずに、そう、捻ってしまったのである。
わたしは咄嗟に目を閉じたので何も見ていないのだけれど、二人の証言によると、鉄板の両端、焦げたカスなどを捨てる辺りから火が出たらしい。わたしの顔が近づいていた操作盤の周辺からも火が出たようで、再び目を開けたときには漫画やコントでよく見るような、というかそれより酷い状態になっていた。
それで火傷をしたに違いない顔を冷やそうと、ハンカチを濡らして顔に押し当てて外すと、何か黒いものがたくさんくっついてきた。髪の毛でないそれは、どうやら眉毛とまつげだったらしく、あっという間にヤンキーのような(つまり眉毛を剃った人のような)顔立ちになってしまった。髪の毛は、顔の周辺全てで激しいスパイラルパーマをかけたような感じで、触るとぽろぽろと落ちてくる。目も心配だったので、とにかく病院へ行くことにした。髪の毛や眉毛なんかはそのうち伸びてくるから大したことないと思っていたわたしに対して、ヤヨイさんは髪の毛が焼けたことがショックだったらしく、「髪の毛が…かわいそうだよ…」と呟いていた気がする。リョウにいはリョウにいで「俺がやってれば…」とへこんでいるし、わたしはだんだん目が痛くなってきて「目が…目が…」とムスカのようなことを言いながらタクシーに乗り、二人についてきてもらって診察を受けた。
夜中の救急外来(これで何回めなのか…)では、顔の皮膚の火傷は大してひどくないと先生が言う。でも目は心配だし、火傷は時間が経たないとどのくらいの深刻さなのかがわからないので気をつけているようにとのこと。もうこの頃には目は開けていられないくらい痛かったので、それを訴えて痛み止めをもらった。眼科は休日当番医がいるので、翌日のお彼岸の日に診てもらうことに。どうでもいいけれど、ここで受付にいたおじさんが何回も「労災でないんかい?労災違う?」と言っていたのが妙に印象的。
それで一晩保冷材を顔の上に乗せて寝た後、眼科へ。ここで先生が、「顔のぎりぎりまで火が来てたと思うよ」とあっさり言う。途端に恐くなった。結局、眼球が熱で少し爛れていたのと、うまく冷やせなかったうえに皮膚の薄いまぶたが火傷の状態になっていたので、それらのお薬をもらって終了。ちなみにここで先生が、「まつげとか眉毛の毛先が焼けて丸くなってるね。でも伸びてくるから大丈夫だよ」と言っていた。
その後は美容室へ。ちりちり部分をカットしてもらいに行った。秋田でいつも行っているところ(MODE STUDIO Q - モードスタジオQ)は、普段はハサミではなくレザルテという独特のレザー(オーナー先生の発明)だけを使っているのだけれど、そのときはわたしのちりちりをカットするために、美容師さんはハサミを手にしていた。15歳のときに初めて切ってもらって以来のお付き合いなので、全面的に信頼していたけれど、やはりプロの仕事とはすごいもので、それまでまったく「ありえない」状態だったわたしの髪の毛を、「ありえる」状態にまで戻してくれた。それははっきり言えば「リアル・モンチッチ」だったけれど、あの「ファイヤー・スパイラルパーマ」を見た後では、感動的なくらいステキな髪型だった。というか、自分では結構気に入った髪型だった。大幅にカットせざるを得なかった前髪を除いては。

まあそんなわけで自分の不注意から顔を炙ってしまったわけだけれど、その後目も無事に治り、まつげや眉毛も伸びてきて、よかったよかったというところ。「リアル・モンチッチ」スタイルは本当に気に入ったので、次もまた同じくらい短くしてもらおうかと考えている。あとまつげは、不揃いながらも伸びてきて、ときどき「球」になった毛が抜けてくるようになった。眉毛は怪我の功名で、これまで毛の量が多すぎてどう整えてどう描いていいかわからなかったのが、これをきっかけに資生堂のカウンターのお姉さまに教えてもらい、修行中。あとはガス台の「つまみ」が恐いのが治れば、すっかり元通り。これからは、鉄板に火をつけるときはかならず店員さんにやってもらおうと心に決めた出来事である。