amiteeのほげほげ日記

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「クワイエットルームにようこそ」

今をときめく松尾スズキの監督第2作。というか元々はこの人の小説。松尾スズキの映画は「恋の門」にはあまり興味がなかったけれど、今回はちょっとおもしろそうだなと思っていた。そのうえ秋田でも比較的早くに公開になることだし、一人でも観に行くつもりでいた。そうしたら、職場の若者会映画部が活動するということだったので、部員4名で先週末に鑑賞。
落ち着いてよく考えれば、監督の言いたいことはすぐにわかる映画。でも、観終わってすぐだと、えもいわれぬ感想しか持てなかった。結局、なにが普通でなにがおかしいかなんて、誰かが一人で決めることじゃなく、その集団、社会がなんとなく、そうなんとなく、決めるのだということ。だって主人公が入院させられた病院にいた人は、患者も医療者もとにかく全員、ヘンだ。でも自分では、自分だけはまともだとほぼ全員が思っている。おまけに患者が変な行動をとれば、あっという間にベッドに括りつけられてしまう。そのルールを決めるのは看護師だけど、患者同士にもなんとなく、ルールができている。要するに実社会の縮図である。ちょっと物差しが違うだけだ。加えて、病院に入らない宮藤官九郎妻夫木聡だって、自分のことを多少は正しく認識しているとはいえ、やっぱりちょっとヘン。たぶん。
映画を観ている側を混乱させる、とすればやや言いすぎの感じもあるけれど、観ているうちにあれあれ?と考えてしまってだんだんよくわからなくなるあたりは、作り方が上手いからなんだろうなと思う。観終わって「うーん」しか出てこなかったのも悪い意味ではなかった。ただ個人的には、違うラストがあってもいいかなと思ったりもする。ただそれが映画として洗練されているかどうかは、わからないけれど。
そんなわけで、観た直後はみっつ半だったほしも、ちょっと増えてよっつ。