STAGEAをステージで。(エレクトーンの話。)
あと一ヵ月後に迫った、冬のコンサート・略して冬コン。サークル主催のイベントとしては最も大きいものだ。これまで、ステージに出す5台のエレクトーンは全て、EL-900m*1であるという暗黙の了解のもとに練習してきた。
それが今日になって突然、一台は今春発売の新機種・STAGEA*2にするという話が出てきた。5台のうち1台がそうなるのか、6台出して1台を新機種にするのかはまだわからないが、これはどうやら提案ではなく、殆ど決定事項らしい。
ここまでわたしたちが主に使ってきたエレクトーンは、電子音を音源とし、それを加工することで「本物の楽器のような」音を出す、というのが基本だった。電子音がベースなので、細かく音色を操作していくと、基本的にはどんどん「本物らしくない」音が出てくる、と言ってよい。もちろん例外もあって、それは「裏技」として使われる。またEL-900以降は、電子音以外に、生の音を音源として使用した音色が出てきてはいたが、主流ではなかった。それが新しいSTAGEAでは、生の音を直接加工したものが、主音源として採用されたのである。これは、エレクトーン弾き(特に自分の弾き方のクセやアンサンブルで他の演奏者とのバランスを考慮しながら音色を編集していくようなエレクトーン弾き)にとっては、とても大きな変化だ。新機種では他にも、よりアグレッシブな演奏スタイルを目指したさまざまな改良がされたのだが、今回のコンサートに大きく関わるのはこの「これまでとは異なる音源を用いたエレクトーンを弾く」という点だろう。
音色を編集して自分のイメージ通りにするにはどうすればいいか、よくわからないのだ。まして、普段練習している防音の部屋ではなくホールに行ったらどう響くのか、素人には予測できない。さらにホールに行ってから、どう調整すればいいのかも、まだわからない。今回初めてスーパーバイザーを務める後輩たちには酷な話だ…ということは、先輩スーパーバイザーである自分たちの役割も変化してくる。
冬コンでのSTAGEA導入に関して、部内からどんな意見が出てくるのかの予測は、若干立てづらい。会社側とわたしたちの利害関係が、ある意味一致しているという事情もある。しかし、たいへんなのはデータの作りかえだけではない。弾きこなす、つまり、STEGEAだからできることを、ステージでアピールすることも求められているということに、気づかなければならない。
ここまで辛抱強く読んでくれた人ならわかってくれるんじゃないかと思うのだけれど、要するに今、かなり興奮しているわけ。まさか卒業前にSTAGEAをじっくりさわれる機会があるとは思っていなかった。これは、チャンスだ。もうレンタル代なんて気にしていられない。データ保存用のスマートメディアだって買ってやる。待ってなさい、ステージア。