amiteeのほげほげ日記

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「しゃべれども しゃべれども」

わりと年配の方でも知っている方が多い、国分太一くん主演の、落語が題材の映画。駅前の小さな映画館でも上映していたので、先々週、観に行ってみた。
映像には、都電荒川線ほおずき市、当たり前だけど末広亭浅草演芸ホールなど、東京の下町の風情が溢れていて、都会すぎない東京の姿はとてもよかった。キャストも、子役と香里奈を含めても皆いい演技で、無駄なところがなくて観やすかったと思う。太一くん演じる「今昔亭三つ葉」の話し方教室の生徒になる香里奈と子役(森永悠希)、松重豊の三人は、話すことについてそれぞれがわかりやすい「障害」を持っているのだけど、落語家である太一くんも含め、全員が、自分の言葉で自分の気持ちを素直に語ること、心底話したいと思って話すことができるようになって初めて、「しゃべること」に自信をもつ。ようやく自分らしくしゃべることができるようになる三つ葉が、そのとき一杯ひっかけて高座に上がっていたのが心憎い。太一くんは、それまでのダメダメな高座と、このときの高座の違いがとてもよく出ていて、渋いながらもよい演技だった。香里奈や他の人との会話での、江戸っ子のちゃきちゃきした雰囲気も、よく出ていた。全体を通して、人は話すことを通じてわかり合うということをじわじわと伝えていたのも、とてもいいところだったと思う。
1000円くらいで観られるのであればもう一度観てもいいなということで、ほしはいつつ。