amiteeのほげほげ日記

はてなダイアリーから移行してみました

「ゆれる」

もう何ヶ月も前に公開になっていた、「ゆれる」。最初に東京で公開になった時からずっと観たいと思っていたのだけど、10月になってようやく秋田にやってきて、先月の終わりにようやく観賞。ここ数年は一人で映画を観にいくことが多いけれど、今回は珍しく3人で観てきたのであった。
映画の雰囲気は「誰も知らない」に近く、場面を切り取って、徐々にいろいろなことを説明しながら、時間の流れもしっかりと感じさせるもの。全体的な進め方もよかったのだけれど、何と言ってもオダギリジョーの演技がすばらしく、事件をきっかけとして兄弟の関係性が徐々に、しかし確実に反転していくことが非常によくわかった。また「ゆれる」のはオダギリジョー演じる弟の心情だけではなく、その記憶もである。そのため、ストーリーの核となる事件について、本当は何が起こったのかの説明が、二転三転する。いわゆる「コロンボ方式」とも違い、事件の真相を探す過程もあった。
映像はいかにも最近の邦画という感じだったけれど、いろいろなことを映像で説明しようという意志を感じるものだった。特に印象に残ったのは、「真面目でいい人な兄」の香川照之が逮捕されたことを表したシーン。エレベーターという密室の中で、手錠を掛けられた手で眠そうに目をこするというその映像で、逮捕されたのだという状況と、そんな状況なのに眠そうに目をこすっているという異常な精神性を表していたのにびっくりした。
ほしは、文句なしのいつつ。5ヶ月ぶりに映画館で観賞した作品に満足できてとても嬉しい。今後もこういうすばらしい作品を鑑賞したいものである。