amiteeのほげほげ日記

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鯖?と訊かれたら鯖、と答える。

前回の「地雷バトン」で嫌いな食べ物に鯖の味噌煮を挙げたところ、コメント欄でにごりんさんが反応していた。くだらないことだけど鯖の味噌煮にはちょっとしたエピソードがあるのできちんと書くことにしてみた次第。結論としては、鯖の味噌煮を食べた日に悪いことが起こったので鯖の味噌煮は嫌いです、という話であるが。

小さい頃から鯖の味噌煮は大嫌い。食感といい、あの味噌とあいまった感じといい、苦手要素満載である。家でもずっと食べていなかったそれを何年かぶりに食べたのは、忘れもしない、学部2年生から学部3年生に上がる春休みのバイト期間中。忙しくてなかなか昼食が摂れず、学食が閉まってしまうというので駆け込んだら、残っていたメニュウは鯖の味噌煮とほうれん草のおひたしだった。どっちも嫌いな食べ物だけれど食べられないほど嫌いというわけではなかったので、仕方なく鯖の味噌煮とほうれん草のおひたしを食べた。

その日の夕方、バイトの後に友だちと遊ぶ約束をしていたので街へ出た。無事に友だちと落ち合った直後、突然気持ち悪くなってきた。あまりに強烈な吐き気が襲ったため、今はなくなった藤崎アネックスのお手洗いでしばし休憩。そのときは吐き気だけだったけれど、あまりにひどいので遊びの予定はさっさと切り上げ、その友だちに付き添ってもらってタクシーで帰宅。帰宅後少しすると、ものすごい腹痛と上から下からの大洪水で、あっという間に歩く元気もなくなり顔面蒼白になってしまった。それで、サークルの先輩で、そのときわたしの周囲で唯一クルマを出してもらえそうだった人に連絡をして、病院へ運んでもらうことにした。そして同時に、それまで付き添ってくれた友だちに代わってなおやにヘルプ。仙台市立病院へ向かった。たしか21時頃だったと思う。

市立病院では、わたしが着いた少し後に、クモ膜下出血で倒れた人が運ばれてきたらしい。処置室に入ったときは他の患者さんはいなかったのだけれど、わたしに吐き気止めの点滴を打った後、先生たちはすぐにそっちにかかりきりになった。しかし比較的早くに、その方は亡くなってしまったようであった。なんとなく、亡くなったんだなということはわかった。わたしは吐き気は止まったが、とにかくお腹が痛かった。後から聞いたら、このクモ膜下の患者さんについては待合室でも緊張が走っていたらしい。

吐き気止めを打つ前、問診の段階で、症状から食中毒も疑われた。その日食べたものは全て火が通っていたけれど、全ての可能性を検討するということで、血液検査と、あと直腸検査というものをやりますと言われた。直腸検査は容赦なく、点滴をされている最中にやってきた。看護婦さんに「はい、下着おろしますよー」と言われ、何がなんだかよくわからないうちに終わったこの検査。これは後から考えるとなかなかに恥ずかしい。しかしわたしの具合が悪くへばっていたために、検査がすぐに済んだようである。災い転じて何とやら。たぶん。

点滴で吐き気がなくなってきたあたりで、時間は深夜の0時になっていた。なんでそんなに時間がかかっていたのか定かではないけれど、とにかく0時だったのには違いない。しかし相変わらずお腹は痛いままである。点滴が半分減ったところで、これは腹痛の薬は入っていないなと思った。誰か来たら訴えようと思っていたら先生がやってきて、「あれ?こんな時間なのに寝てないね」と言う。だからお腹が痛いの!最初にも言ったし!と訴えたら(実際こんな強くは言えない)、それじゃあ寝られないよね、ごめんね、ということで腹痛の薬も追加。どうやらひと眠りすることが必要だったらしく、ちょっと寝てから帰ったほうがいいと思うけど付いてきた人は待ってるの?と尋ねられた記憶がある。

結局ぜんぶ終わって帰途に着いたのは明け方4時。クルマを出してくれた先輩には、帰ってくださいと最初に言ったのだけれど、終わって行ってみたら待合室のソファに転がって寝ていた。寒かっただろうなあ。迷惑かけたなあ。なおやも。なおやにはそれから数日ゴハンを作ってもらった。原因は結局、食中毒じゃなくてただの風邪でしょうということで一件落着。大人になってから胃腸が大暴れしたのはこのときが初めてだったと思う。すごい威力の風邪だった。

そんなエピソードのそれもこれも、わたしの思考回路では、ぜんぶ鯖の味噌煮のせいなのである。大嫌いな鯖の味噌煮を食べた日に悪いことが起こったから、それは鯖の味噌煮のせい。とにかく鯖の味噌煮が悪い。というわけで、当然ながら、鯖の味噌煮はあれ以来口にしていない。客観的に読んだらこれは完全に風邪の話なのだけれど、わたしの中では鯖の味噌煮のエピソード。これから一生食べずにいられるように祈っている。

ちなみにタイトルは、なおやが大学に入ってすぐ、フランス語をおぼえたてだった頃のなおやから来たFAXに書いてあったこと。元気ですか?ときかれたら元気です、と答えるということ。本当はサバではなくサヴァ、である。